自然に寄り添う②
これはあくまで私の体験談と備忘録。
わたしの症状はなにかというと、
主に「手荒れ」です。
最初は5年前、右手の薬指と中指の間に小さなプツプツが現れた。
割と小さい時から体の痒みは慢性的にあったので、
「痒いな→なんとなく掻く」
という流れはさほど気に留めることもなく、
ひたすらに、なんとなく掻いていた。
そのプツプツは徐々に徐々に広がり、
薬指の爪先まで行き着いたら今度は他の指まで痒くなり、
半年後には右手の親指以外と手のひら全面に渡って酷い荒れ様になってしまった。
調べると、
同じような症状で「掌蹠膿疱症」。
一応皮膚科に行けば、「乾燥性湿疹」とも言われステロイドと保湿剤を処方された。
この症状の時には、
動物性の食材を摂らない生活に切り替えていて、かつ、なるべくオーガニックのものを選ぶ習慣を心がけていた。
薬には頼るべからず
自分の治癒力を信じよう
…いや、さすがにそうは言ってられなくなって
わたしは薬を塗った。
文にすると本当に思い返す辛さだけれど、
おびただしい水疱が痒く、引っ掻くとそこから出る汁がまた痒く、皮がボロボロして再生ができずにいたのだけど
その薬は塗ったら痒みが無くなって、1週間も経てばもう一度皮膚を蘇らせてくれて、赤くむくんでいた手指がちゃんと機能するようになった。
嬉しくなって、それで薬を塗らないで過ごしていたら、瞬く間にまた酷い荒れ様に。
悲しくなって、少しだけ…と思って薬を塗った。良くなって塗らなくなるとまた元どおり。
一時良くはなるけどいつまでも完治しない。
オーガニックだ自然だなんだと言いつつも、
わたしのステロイド依存生活がそこから2年続いた。
その間、
わたしは手荒れが酷くなるワケをこう考えた。
「環境の変化」
(実家からの引越し)
「水仕事による湿疹」
(家事と飲食店での水仕事)
「好転反応」
(食生活の変化による一時的な排毒期間)
「遺伝」
(母がまったく同じ症状で、悩み続けている姿を見ていた)
「小麦粉アレルギー」
(20代前半にパン屋に勤務していた際に小麦粉を散々浴びて食べていた、摂取過多による時間差の症状の現れ)
「電磁波過敏症」
(無線マウスを握るポイントが荒れてるところとがっちりハマる、ということに気づくと同時に、パソコンやスマホに触れるとビリビリ感じるようになった)
考えた、と言いましたが
実際これらは
ネットで調べた内容を症状に片端から当てはめていただけにすぎません。
当てはまるものを探して納得させる。
これは脳のトリックだった、
という話を詳しくは次の時に書く。
さて薬を塗りながら頭を納得させて安心させた私ですが、ある時期から塗り薬があまり効かなくなってきたんですね。
塗る、がダメなら飲む薬。
それも、だるくなったり眠くなったり体へのダメージが割とあったからあまり飲まないようにしていて
さほど効かない薬を処方して手放せない時期に入りました。
今から3年ほど前。
左手は症状が無いとは言え、
右利きだから何をするにしても難しい。
飲食店に勤めているから、手を洗う作業が辛い。綿手袋の上からビニール手袋を付けて作業し、お金を渡す作業を左手に変えた。
手袋をしても衝撃がかかると痛痒む。
包丁などの物を握れない、髪を洗えない、ピアノを弾けない、なにもかも集中ができない。
そして見つめやすい位置にある右手からは、目を背けることができず
よく涙を流し
この手を醜いと感じ
自分を不幸だと思った。
さらに続きます。
2年半前の秋、突然お腹と太腿が痒くなった。
あれ?と思ったら赤い発疹。
かゆいな〜、とまたなんとなく掻く。
並行して右手の荒れもなかなかに酷くなり、
それがびっくりするほど瞬く間に広範囲に渡り、
なんと耳たぶと首から足の甲まで
全身の湿疹となった。
病院に行ったよ。
今まで飲んだことのない強い薬を飲んだ。
湿疹はやがておさまり、その湿疹は黒いあざのように跡となって長く残っていた。
わたしは
わからなかった。
くるしみが極限に達して
空を見つめながら
ぽつんと原点を思った。
なぜなのか。
なぜ、
手が荒れるという症状が
わたしの中で始まったのか。
ここまで酷くなりながらもわたしは当たり前の疑問を感じていなかった。
思えば最初に痒みを感じた時、
その症状は母が苦しみ続けていた「水仕事によるもの」と同一性のものであり、慢性的な痒みの延長で片付けてしまったけれど
そうではない。
本当のところに目を向けてないのだと思った。
それがなんなのか、よくわからないけれども。
わたしは人生の中で手荒れに出会って、
それを通じて考えるべきところをパスしてしまって、重要なポイントで立ち往生している。
そう捉えるようになったのは、
本当に奇跡的な自分の変化だった。
そう思った時に、
右手がジワッとあたたかくなった。
それは、初めてではない
子供の時によくあった感覚。
真に触れるとあたたまる。
なんて久しぶりなんだろうと思った。
そして、
なんで忘れていたんだろうと涙が流れた。
つづく。
(だいぶ消えてきた頃の湿疹の跡)
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