「風邪かな」と思ったら


昨今では
「体調がすぐれない」の一言すら表立って言えない、世間様の目が気になっちゃうんだと。
なんて世知辛い世の中なのだ。

こちらは包み隠さず言うと、
2日前から、この家に「体調がすぐれないギター&ボーカル」が居ります。


扁桃腺が腫れた、と言っていた1日目。
体がダルいと言う今日2日目。


熱は38度近く上がり、
何故かプレアデス星人の本を時折読み進めながら、うんうん辛そうにゴロゴロしていた。


とても珍しいことである。

3年前に胃腸炎のような症状で倒れ込んで病院へ行き、ライブに出られなくなるという事件があったが、
寝込むのはそれ以来で、もっと言うと彼が風邪をひいてる姿は見たことがない。
そんなギター&ボーカルに、わたしは次の手当てを実験、いや、施すことにした。

(参考文献:「薬草の自然療法」東城百合子 著、
「奥津典子の台所の学校」奥津典子 著)


①ノビルの生葉を喉に貼る

扁桃腺炎によく効くノビル選手。

ノビルとは、食用薬用に重宝するユリ科の野草。
ニラのような臭気で、酢味噌和えやお浸しにするとめちゃめちゃ美味い。
そんな美味しいノビルにはすごく信頼がおけるらしく、喉に懸命に貼って1日過ごしていた。
喉が痛い時はネギを首にまくと良い、そんなおばあちゃんの知恵袋を聞いたことがあったが
風味や香りの近いノビルやニラも、よく効くようだ。
ネギなら白いところを割って炙り、喉に当てがうと良い。


②キャベツを額に貼る

1日目で喉の痛みはほぼ無くなったが、
体のダルけと少し頭痛、熱っぽさが出てきたと訴える。
冷蔵庫にあったキャベツを額に貼って熱取りをする。
ビタミン、カルシウム、鉄などの有効成分がある万能選手は、大概野菜室に居る。
食べる以外にも外に当てがうだけで疲れや熱をとるというのだから、キャベツといいネギやノビルといい、不思議な威力である。


③コンニャク湿布

なんだかお腹もさすったりして、唸っているギター&ボーカル。
次は血液浄化のアルカリ食品、コンニャク選手。
この湿布は、砂浴に近い排毒が期待できる素晴らしい療法と私は感じている。
茹でたコンニャクをタオルに包み、肝臓やお腹、腎臓に直接当てて温める。細胞を活発にして毒素を引き出す働きがあり、疲労して弱っている臓器がこの手当てによって好転する。
その後はしばし脱力感もあるが、よく眠れているようだった。

④大根湯

万病に効く千両役者、大根選手。
こちらは代表的な薬膳。
風邪のひきはじめ、呼吸器や免疫疾患由来の高熱に効く。熱は抑えるんじゃなくて、出すこと。
その後の体がとても楽になる。

大根おろし大さじ3と生姜すりおろし小さじ2、おいしい醤油大さじ1くらいと熱々の三年番茶を2カップ。
おわん一杯飲んだらすぐに、すぐに寝ること。
睡眠の間の発汗が重要である。
大根と生姜をおろすと酵素が増えて、不調の原因の老廃物(タンパク質)を分解。あとは身体が処理してくれて、汗や呼吸、尿で排出できる。

さて、半信半疑でこの大根湯を飲んだ人は
再びぐっすり眠った後、2時間後に起き上がってきてスッキリした表情で「よく効いた!なにあの飲み物!」と驚いていた。

その後風呂に入って汗を流し、ごはんを少し食べ、そしてまた何故かプレアデス星人の本を読みながら、眠りに落ちていった。

きっと明朝にはすっかり回復している。

大根湯。
発汗できて熱がすっかり下がるので、まだやったことのない人は試してみてほしい。



病院へ行くべきか行かないべきか。
本来大人は己で判断できること。
症状は=病気ではなく、心身からのサイン。

果たしてその症状は、本当にお医者さんに診てもらわないといけない症状なのか、薬を処方しないといけない症状なのか。
まずは台所や身近にある物で症状に適した「手当て」を。
これがもしも世の中で当たり前になっていれば今、件のウイルスに対して過度に恐怖を感じたり必要以上の騒ぎになることはなかったんじゃないか。
手当てをしてみて、どうしても状態が良い方へいかない時。お医者さんと薬は、そうした万が一の万が一に頼るものだ。


プレアデス星人より。

HAZAMA-blog

菓子屋と音楽家と日常の狭間を語る。