洗濯機の無い生活

昨年8月

5年半目の洗濯機に異変が起きた。

どんな異変かと言うと

脱水の段階に入って
ドカスカドカスカドカスカ

と、どえらく大変な音が響き渡り

ピーーーと停まってしまった。


そんなまさか…
今日も明日も当たり前のように在り続けると思っていた三種の神器が…


洗濯物を取り出して
中を確認して蓋をしめて電源を切って、付けて
もう一度試したら
ピピっと「おれはもう無理なんだ」のエラー表示の一点張り。

もう一度蓋をあけて
よくよく確認してみると
中の洗濯槽が歪んでいた。

これは分かりやすい不具合だと思って
もしかしたら直せるんじゃないかと一瞬光がさした。

洗濯機をガタガタ動かして後ろが見えるようにし
ドライバーでネジを外して背面をはずす。

するととんでもなく汚い世界に愕然とし、
…ていうのは今回置いとくとして

スコンッ
と棒が一本床に落ちた。

調べた。

洗濯槽は4本のサスペンションという吊り棒で支えている。
脱水時になんらかの拍子でそれが外れてしまうというアクシデントは、洗濯機のよくある故障原因だそうだ。

そしてその棒はネットで購入ができ、
自分で直すことも可能だという!

さらに調べると大手メーカーの吊り棒がすぐ出てきた!!

サイズやシリーズをちゃんと照らし合わせて購入できるぞ!!!!やったー!!!!!

となって
さっそく販売先に、吊り棒の取り寄せ依頼の問い合わせをした。

ちなみにうちで使っていたのはヤマダ電機のプライベートブランド。

しかしヤマダのお姉さんには「このメーカーでは部品取り寄せと販売はできません、修理依頼となります」と冷酷な声で言われてしまった。

…がーん

諦められず、
他のメーカーの吊り棒でもマッチしないか
めちゃめちゃ調べてみたが
純正のものじゃないと危険だとわかって断念。




修理をおねがいしよう…

いくらかかるのか…
いつ来るんだろう修理…
それまで街のコインランドリーに通うのか…
毎日…リュックを……しょって…


と暗くなりながらもう一度問い合わせをしたら

今度はやさしい声のヤマダのおばさんが出て
修理のおじさんに繋いでくれた。

棒ガ取レタンダ、と事情を説明すると

「修理は確かにできるけれど、下手すると、新しく購入するのと同じくらいの修理費になってしまうよ。5年半使っているのであれば、購入を検討する方がよいんじゃないかな。」

と、そのおじさんは正直に言ってくれた。


電話を切り

よし、洗濯機を手放そう
と決めた。


そしてそもそも
最初から洗濯機の買い替えは頭に無かったことに気づく。
今あるものが直って長く使えるのであれば良いな、と思っていただけだった。
これまでの人生、たくさんの物を買って捨ててを繰り返して
それが大変なエネルギーを使うことを身体が知っていたし、無意識にストレスでもあったんだ。

手放そう。

そうと決まったら
リサイクル家電の出し方を調べて、
「洗濯機の無い生活」を検索してみた。

洗濯物は手洗いし、
なんらかの方法で脱水すればよいのだ。


  • 試してみた脱水①

手で絞る

…これは…正直長く続けられない。
どんなにキツく絞ってもポタポタたれる。
生地と厚みによって全く絞れないままのものも。


  • 試してみた脱水②

野菜水切り器

まさかの、レタスなどを水切りするサラダスピナー。
あれでひとまず手拭いを水切りしてみた。
…お、いいかなと思ったけれど
脱水力はものに寄るし、サイズも小さいし、何回にも分けて回さないとならない。
うーん。


1週間、そんな感じでポタポタ過ごしていた。
まぁこんな脱水力でも、8月の日差しなら一日で洗濯物は乾いてくれる。太陽のありがたみ。

でも冬になったら…
こりゃ厳しそうだな。


そんな模索を経て
また色々検索した結果、

私はやむ得ず、ひとつ物を買う選択をすることになった。

それがこれね、3キロ容量の小型高速脱水機。


使ってみると……
ものすごい脱水力だ!!!!!!!


洗濯機の脱水機能をはるかにこえる。

脱水かけたらピンと張って、「かわかさずとも
夏ならそのまま着れる」というレビューを思い出して頷けた。

1週間ぶりのすてきな洗濯タイムに、
どえらく感動してしまった。

それからまたもや色々試してきて、定まった洗濯の手順はこちら。

①前夜、風呂場に大きなタライ(ドリフで落ちてくるやつ)を置いて洗濯物を入れ、浴槽の残り湯を汲む。

②洗剤は愛用している洗濯用エコ洗剤、「海へ」。

これは「易生分解性」洗剤で微生物により分解されるスピードが早く、すすぎもほぼ要らない上に環境への負担を減らす。
使ってみてわかることがあるので、気になる方は調べてみてね。

ごしごし揉み洗いをせずとも漬け置きをするだけでじゅうぶんOK。

ちなみに
洗濯機をつかっていた時は、この洗濯液を衣類と共に洗濯槽に入れて一晩置いておいて
朝、短い時間のすすぎと脱水のみで洗濯していた。
あとはランドリーマグちゃんね。
これも、使って実感した人がわかる心地よさです。


③翌朝、シャワーのお湯を使いながらタライの洗濯物を軽く押し洗ってすすぎ、手で絞る。

ギュっと一回でOK。ズボンなどは湯掻いたほうれん草を絞るように。

④脱水機の取り外せる内カゴに絞った洗濯物を平に重ねるように入れて、私は今大体3分ほど。(状況と季節によって5分まで可能)
タイマー式で簡単な操作。

こんなかんじです。



今の時期でも、部屋に干しても半日でおおよそ乾く。

気になる容量ですが
2人分なら、この一回で済む量の時もあれば
三回くらいに分けることも。
でもその間、他の家事をしながら計10分ほどなので、苦ではありません。
(大家族だと、気合いとポジティブな気持ちも、より必要になってくるかもしれません。)



この変化で私にとって良かったことは
風呂場の残り湯を使えるようになったこと。

ダイニングキッチンの一角が洗濯機の置き場で、風呂場との距離があったため、これが難しかった。(私は長いホース、コードの類があまり好きではないです。)

そして朝必ず風呂場に行くことで、
ちょっとずつ風呂場の掃除タイムにもなるということ。そんなにがんばらない、毎日2〜3分もかからないほどの。

そしてなにより、
ダイニングが広くなりました。

一角に脱水機をちょこんと置いて
洗濯機用の排水の穴にエルボを繋ぎ
脱水した水は洗濯機と同じように排水してます。

一つ手放して
一つ購入、にはなったけれど

生活は変化し、
得られるものは大きかったと思ってます。

まさに洗濯機がこわれた方、
洗濯機に無意識の内にストレスを感じていた方、
1人〜2人暮らしを始める方、

こんな洗濯ライフ
いかがでしょう。



HAZAMA-blog

菓子屋と音楽家と日常の狭間を語る。